日本の吹奏楽経験者(吹奏楽部出身者の方がいいかな?)のほとんどが耳にしたことはあるであろうジャパニーズ・グラフィティという単語。
ヤマハが出版している、「ニューサウンズ・イン・ブラス」というポップス楽譜シリーズのひとつで、出版当時やその前後で世間を席巻した・流行した曲をメドレーにしている曲です。(最近はそうでもなく、世代を超えて国民的に愛された・愛されている曲を軸に据えたものになっています)途中お休みを挟む年もありますが、ほぼ毎年発表されます。現在はⅩⅩⅠ(21)まで出ています。
今日はそんなジャパニーズグラフィティの中から、僕が今まで演奏してきたものの紹介と、(主にホルン奏者視点の)小話的な内容をお送りしたいと思います。
ジャパニーズ・グラフィティⅣ〜弾厚作 作品集〜
中学の吹奏楽で初めて吹いた曲。弾厚作という名前は加山雄三さんの作曲家としての名義です。
君といつまでも〜お嫁においで〜サライの構成。
初めて見る8分の12拍子に悪戦苦闘したのを覚えています。(途中でカウントは4拍子でいけるやん!て気づいてからは譜読み楽になりましたが)
お嫁においでのトランペット・トロンボーン・クラリネットのディキシータイムがいいですね。もっともこれをディキシーと知るのは何年も後になりますが…。
最後のサライは某1日ぶっ通し番組の影響でグランドフィナーレっていうイメージですね。ここの最後にホルンが畳みかける対旋律が好きです。
ジャパニーズ・グラフィティⅤ〜日本レコード大賞、栄光の昭和50年代〜
こちらも初演奏は中学校吹奏楽部で。次に書くジャパグラⅥと合わせて、当時の部の中では代替わりした後レギュラーで演奏する最初の曲っていう立ち位置でした。
北の宿から〜北酒場〜ルビーの指環〜勝手にしやがれの構成。
特に北酒場は当時の校長先生が毎年定期演奏会で衣装まで着てノリノリで歌ってくれました。ルビーの指環と勝手にしやがれは2,3年の先輩がセンターで歌唱、その周りを入部したての1年生がバックダンサーとして踊る、というのが部の伝統でした。
ホルンにもちょいちょい歌パートが割り振られていて楽しかったです。ただその分「ホルンもっと吹いて!」というあるあるを言われることも多かったですが…笑
ルビーの指環と勝手にしやがれのつなぎは木五になっているのが面白いですね(僕がいた当時はファゴットがいなかったのでバスクラでしたが)
ちなみにルビーの指環はこの経験が高じて声変わりして歌えるようになってから個人的カラオケでの定番曲になります。
ジャパニーズ・グラフィティⅥ〜日本レコード大賞’70〜
これも中学時代が初経験。
UFO〜魅せられて〜シクラメンのかほり〜襟裳岬で構成されています。
この曲もシクラメン以外は2,3年生の中から指名された人が歌手としてそれぞれ歌います。
もちろんUFOはダンス付き!
ダンスの練習風景を散々見ていたおかげで、僕も1番だけなら踊れるようになりました笑
ホルンはUFOは基本3連符のリズム隊なのですが、これをいかに早いテンポで吹けるかパートで競って遊んでいました。この曲のおかげでトリプルタンキングという概念を知り、できるようになりました。(当時BPM168でシングルは無理だったため)
魅せられてとシクラメンのつなぎはオーボエとホルンがソロを吹きます。数少ないポップスでホルンを目立たせてくれる箇所です。
最後の襟裳岬は歌パートのテナーサックスソロが音源で激シブで大好きで、今でもよく聴きます。でも当時はバリトンサックスの先輩がこのソロを吹いていました。
ジャパニーズ・グラフィティⅧ〜ウルトラ大行進!〜
はじめての出会いは中学生ですが、演奏は多分高校生になってから。
ホルンは血の気が一気に上がる曲ですね笑
構成はウルトラマンのうた〜ウルトラセブンのうた〜ウルトラマンタロウ〜帰ってきたウルトラマン。
まぁなんといってもウルトラセブンのうたでのホルンのグリッサンド!ホルンのその勇壮ぶりを世に知らしめた曲でしょう。ここはどれだけ暴れ散らかしても怒られない(誇張表現)ところですからね笑
しかしその後に現れるゲシュトップの「+」の記号。当時知識としては知っていた僕でしたが、全然できなくていかにそれとなーくやり過ごすかに全てをかけていました…大人ならいざ知らず、学生の頃吹いた人はココに苦労した人も多いのでは。
ちなみに個人的な余談なんですが、ウルトラマンタロウのテンポがアップしたところからのメロディの裏でやってるクラリネットの連符が最高に好きすぎて今でも聴けば泣きそうになります。本気で耳コピしようとした時期もありましたが挫折しました笑
ジャパニーズ・グラフィティⅨ〜いい日旅立ち〜
国民的アイドル、山口百恵さんのヒットナンバーをメドレーにした曲です。初聴きは中学時代、初めての演奏はお仕事ででした。
秋桜~プレイバックPart2~イミテイション・ゴールド~いい日旅立ちの構成。
中学では、この曲も2,3年の先輩がプレイバックPart2とイミテイション・ゴールドは歌ってはった記憶があります。秋桜ももしかしたら歌ってたかなあ。
やはり自分の親世代には相当にウケが良かったようです。
秋桜のAメロに入ってからのヴィブラフォンとクラリネットの組み合わせがエモくて好きです。原曲の雰囲気を忠実にオーケストレーションしていると思います。あとサビ入る前・入ってからのホルンとサックスの対旋律も好きです。
いい日旅立ちは原曲通りのトランペットの見せ場が用意されています。ハードですけど…
サビまでの歌パートはテナーサックスがソロだったかな。
このジャパグラ聴いて秋桜が歌えるようになりました。今でも聴きます。
ここまでのジャパグラはいわゆる歌謡曲モノです。中学生の時の僕は「親が聴くと盛り上がる」というぐらいの印象しかありませんでしたが、そういった親の熱にあてられたのか後々は好んで聴くようになります。94年生まれなのにそれより前の曲であるこれらをカラオケでよく歌ったりします。何歳?って聞かれることもあります。笑
長くなりそうなので久々に前後編に分けようと思いますので、後編も是非見てください。
後半へ続く。
0コメント