(2015年、管打楽器コンクール受けに行った後東京のDACで試奏した時の写真)
書き出してみて「アッこれ長くなるわ」となって3つに分けたマウスピースよもやま話、中編。今回は主に高校生〜大学3回生夏手前まで編です。
前回はこちら。
◇高校時代
・高1(多分冬頃?) Tilz シュミット85(リムインナーゴールド後がけ)
高校に進学してからは一瞬ホルンじゃなくなる危機があったのですがまぁ何とかホルンに落ち着きました。マウスピースはヤマハのカスタム31を使ってました。
何をきっかけにそう思ったのかは覚えていませんが、「ヤマハ以外のマウスピースも吹いてみたい!」と脱ヤマハを考えるようになりました。多分先輩が使っていたのが上記のティルツだからだったんだと思います。
そして冬頃に初めて自分で楽器店にマウスピースを買いに行きました。中学生編で「買ってもらった」とは書きましたが、あれは部でごひいきにしている楽器屋さんから持ってきてもらって僕はお金入った封筒を渡していただけなのでした。なので、自分の足で楽器屋さんに出向いてマウスピースを買うという行為はこの時が初めてだったのです。(練習用マウスピースはノーカン)
この時はまだヤマハ以外のメーカーをあんまり知らなくて、これもまた先輩のマネしよう精神でティルツを選び、案外吹きやすかったので割と即決しました。Uカップとの初めての出会いでした。Uカップ特有の高音の吹きやすさが特に気に入りました。
で、ヤマハのカスタムでリムが金メッキである方が吹きやすいことに味を占めていた僕は買ってそのまま「リムに金メッキお願いします」と楽器屋さんにオーダーしました笑
納期が増えたので実際に手に入れたのは年が明けて冬休みが終わった頃でした。
高校の時は次に記載するマウスピースを一瞬使った以外は基本このマウスピースでした。
大学入学後もしばらくはこれを使っていて、最終的には不要になったので他大で交流のあった同期の友達にお譲りしました。
・高2(多分) Holton(品番失念)
何故これを買ったのか、品番を忘れるくらい印象が薄いほんの一瞬しか使わなかったマウスピースです。
ただ恐らく買った経緯はこれだなーというのはあって、当時京都中の吹奏楽部からオーディションで選ばれた選抜メンバーによるバンドの演奏会、通称「ビッグバンドフェスティバル」に幸運にも参加させてもらった時に他校の先輩が使っていたのがホルトンだったからだと思います(先輩に影響されすぎ)
しかしホルトンのカタログ記述と実際の内径がこんなにもかけ離れているとは当時思っていなくて、吹いてるうちに困惑の方が強くなってすぐに使うのをやめました。(カタログで"大きいリム内径"って書いてあっても17mm前後とかで全然デカくない、など)最終的には後輩にあげました。
窮屈なイメージが強かったため、それ以外の吹奏感はあんまり覚えていません。ただ、カップからシャンクまで一体成型された滑らかなデザインは好きでした(そこかい)
◇大学時代
・大1Bach 7
ホルン専攻に進むことができた大学時代、お金が使える幅が高校生の時よりは少なくとも増えたのでマウスピースをあれこれ試したくなるようになります(大学時代が1番沼に浸かってた)。
そんな中でまず初めに手を出したのがBachの7。当時はリム内径を大きくしたかったのとVカップを試してみたくて比較的安価だったからという理由で買った気がします。
確かに吹きやすくて音量も鳴らしやすかったのですが、あまりにも明確な息の持っていかれ方にビックリした記憶があります。Vカップって、こんなんなんだぁ…みたいな。
リムの感触も良かったんですが唇への食い込みが強めでそのままバテに早く直結しちゃったのであまり長くは使いませんでした。
・大1(秋) TAD(品番失念)
そんな訳でマウスピースどーしよーと定まらない時期に入り、大学入ってようやく買ってもらった自分のスマホであれこれ調べていたら出会ったTAD。
当時概念として初めて知ったリムチェンジ方式というのに無限の可能性を感じました。
「自分がいいと感じるリムとカップの組み合わせで吹けば最強なのでは???」(それはそう)
TADはリムの幅が5種類、カップが4種のリム内径に合わせたもの7種の深さやスロート違いがあり、かなりカスタマイズの幅が広いです。
そして何より、リム部分は金メッキが標準仕様!!当時の僕にとってこれは見逃せないポイントでした。
今でも覚えてます。授業サボって試奏しに行きました。
でも当時は今ほど自分の中で選定基準が肥えてた訳でもなく、なんなら単騎突入だったので聞いてもらう人もおらず。今思えばハッキリとイイ!とは思えないものの、自分の知らない特徴に惹かれて引くに引けない感じで買いました。
けどやっぱり確信を持たずに買ったマウスピースはしっくりとはきませんでした。確かにリムの感触は良かったんですが、硬質な感じの音色が僕のイメージとは違っていました…。あと微妙に高音が吹きにくかったり。
ハンドメイドマウスピースなので、たまたまその個体が自分には合っていなかっただけなのかもしれません。
・大2(冬頃) YAMAHA シグネチャー トーマス・ベーコンモデル
ここにきてまさかのヤマハ返り。といってもシグネチャーモデルですが。
より大きいリム内径にしたかったのと、Vカップへのこだわりが捨てきれなかったのと、カタログにあった「明快なサウンドで音抜けも良く、大編成から小編成までオールラウンドに対応」という文言に惹かれて買いました。当時は音抜けに1番悩んでましたね…。
ただコレもドンピシャ!と感じるほどではありませんでした。やはりどこか音が硬質的になったなーという印象があり、それでモヤっとしていました。重量バランスは良かったので吹きやすくはありました。当時までで1番吹いてて楽しかったマウスピースだったと思います。
初めてこのモデルを認知したのは多分中2のマウスピースカタログで、その後他のシグネチャーモデルが次々と販売される中、未だにラインナップに入っているのはすごいなあと思います。
・大3(春頃) schilke 32
このころは雑音と息抜けの悪さ、後音量に悩んでいました。
例の如くスマホで色々調べてたらこのマウスピースを見つけて、リムも18mm超えてるし、スロートがめちゃくちゃ太いから息流しやすくて雑音も減りそう!と思ってこれに関してはあまり試奏もせずに買った気がします(いや多分したとは思うんですがかなり購入前提の試奏だったので確認程度にしか吹いてなかった)。
しかしこれがまぁ大きな勘違いでして、超が付くほどのダークサウンド。何も吹いてもダークサウンド。昔のアメリカスタイルであれば歓迎されていたであろうその音色に僕は非常に困惑しました。
購入してから調べて分かったのですが、このシルキー32はスロートがなんと5.6mmもあるんです!!しかもカップは人差し指を入れると第一関節が見えなくなるほどズッポリ入るほどの深さ。これでダークな音が出ないワケがありません。
そしてこのデカデカスペックが当時僕が実技試験に向けて取り組んでいた曲に大きく牙を剥きました。
その曲は、シューマンのアダージョとアレグロ。
もうね、ほんとに出ないんですよhighFが。笑っちゃうくらいに。まあその時はもともとヒット率激低だったんですが、変える前はまだなっていたhighEsもてんで鳴らなくなり…とてもじゃないけどこれでシューマンは吹けませんでした。
そしてオケで吹くと、トゥッティでフォルテとか吹く時にそれまでの「息持ってかれるわ〜」とは比にならないくらい息が持ってかれるんです。吹いた後マジで疲れました。唇と同じくらい肺が。
あとスロートがデカすぎたが故に音量になかなか直結しませんでした。というかある程度はカップの深さと相まって確かに音量大きくはなったんですが、あるところまで来るとそこで頭打ちになっちゃって後は息だけ消費していくような感じでした。
正直、バカほど出て行く息のコントロールができる人でダークサウンドを求める人以外はお勧めできません。リム内径もめちゃくちゃデカい訳ではないので安易にペダルトーンとかの低音が鳴らせるとかでもないです(これは奏法的な部分もありますが、一般的な傾向としての鳴らしやすさに比例していないということです)。
吹けていたものも吹けなくなってきたことに焦り始めた僕は早急に次のマウスピースを探します。ちょうど大学オケのサマーコンサートが近づいており、重要なソロを任されていたため藁にもすがる思いで探していた僕の前に、あるメーカーのマウスピースが現れます。
次回へ続く。
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