マウスピースよもやま話(後編)

(大学3回生の夏、窮地を救ってくれたロメラブラス。こちらは後に金リムを後がけしたもの)






マウスピースよもやま話最終回の後編。一応今回で終わる予定なので前2つより長くなるかもです。


前回はこちら







◇大学時代続き


・大3(夏) Romerbrass S30R23

前回の通り、大学オケサマコン前にデカデカスペックのシルキー32で悲しみに暮れていた中、タイミングよく管楽器専門誌のパイパーズでホルンのマウスピースが特集として取り上げられたのを見かけました。

買って帰って穴が開くほど読んで、その中で紹介されてた「ロメラブラス」というスペインのメーカーが目に留まります。

内径も0.25刻みで細く、さらにカップの深さも3,4種類くらいから選べるいわばTADのリムチェンジなし版。反応が良いとも紹介されていてコレだッッッ!!となり、さらにタイミング良く三木楽器に入荷するというニュースを聞きつけ、日程を確認して開店前から並んで待ちました。

その時在庫があったのが↑のS30R23とカップの深さ違い(多分24かな?)の2本があって、少し悩んで吹きやすいS30R23を購入しました。


シルキーの超ダークサウンドとは真反対の明るいサウンドに当初笑っちゃいました。あと、リムの感触が当時今まで1番いいと感じたマウスピースでした。反応もパイパーズの記載通り良かったです!
同じリムでもカップの深さにバリエーションがあるので、自分の息の入れ方に合う深さをチョイスできるのも良かったポイントですね。


おかげでサマーコンサート、ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずらの3rdソロ、そしてtuttiでのハイトーンも無事に決めることができました!!ほんとにこのマウスピースは救世主でした…





・大3(夏) Breslmair 2G4S

え、この前マッピ買ったばっかじゃんお前。そうです、1ヶ月経たずに新しいマウスピースを買ってしまったのです。


8月、初めての大きなコンクールを受けに行ってまあ1次でダメだったわけですが、残りの期間上位に進んだ人の演奏を聴くのと別で、せっかく関東に来たから関東の楽器店に行きたい!!ということです新大久保のDACに行きました。パイパーズで読んだけど大阪で試せなかったメーカーを中心にマウスピースを数本出してもらって試奏しました。この時はマウスピースに悩んでるとかではなかったのですが…。


買っちゃいました、ブレゼルマイヤー。
またしても珍しさに惹かれたのと、Vカップの息の通りやすさに再び魅力を感じ、またロメラブラスはリム内径を若干犠牲にしていたので(17.5mmに戻してた)、大きいリム内径も良かれと思って買いました。16500円、マウスピース単体で購入した金額としては当時最高額でした…。

しかしこの品番、リムが超フラットリムで音の立ち上がりは確かに良かったのですがバックみたくリムが唇に食い込み気味になってしまい疲労が早くなってしまったのでしばらくして使わなくなってしまいました…今までのマウスピースで1番もったいない使い方をしたと思います。






・大3(多分冬) JK エクスクルーシブ1番台(深さとMかKかどっちか忘れた、多分M)

理由は忘れてしまったんですが、この時期にJKも買って試してみました。が、カップの形状・深さが自分には合わず結局やめました。
今まで試した中で1番自分と相性がハッキリ悪いなと感じたマウスピースでした…。







・大4(秋) E.schmid 12

11月に念願のアレキ103買い替えを果たした時に一緒に付けてもらったマウスピースです。確かにアレキユーザーはマウスピースシュミット多いしなーと楽器との相性的にいいのかと思って吹いてましたが、シュミットのUカップは少し自分にはキツかったみたいで、ロメラに戻しました。



・大4(秋以降年末までのどこか) Romerabrass S35R22

結局ロメラに戻ったはいたのですが、やはり内径がキツくなってきたのと、カップも少し浅くしたほうがいいかな?と思い、それぞれサイズ変更しました。この時は金メッキへの執着(?)は無くなっていたのでこのマウスピースは最後までメッキすることなく今も手元にあります。2番目に長くたくさんの本番を共にしたマウスピースです。






◇大学院時代


・院1(夏) JK SF3 18K(ヴィル・サンダースモデル)

人より卒業と院進のタイミングが1年ずれて時空が歪んだ大学院時代(笑)。この時、Uカップの跳ね返りがキツくなってカップの特長的に吹きやすい高音域も吹きにくくなってきていたのでいよいよVカップに本格的にシフトしないとなあ…と新しいマウスピースを求めていました。

3回生の時に受けたコンクールが再びホルン部門が回ってきたので受けに行きました。またしても1次でダメで、今度は3年前と別の楽器店に行ってみようと期間中中日のホルン部門が休みの時に東京のヤマハ銀座店にマウスピースの試奏に行きました。(コイツいつも試奏に行ってんな)


銀座の都会っぷりにバチバチの田舎モンかましたことを今でも覚えてます笑
店内も楽器店のヤマハの総本山だけあってめちゃくちゃ綺麗でした…試奏室もなんか広いし豪華やったし。

で、ここで出してもらったのがJKのヴィルサンダースモデル(SF)の18mmのMとK、あと多分シュミット2本かなあ…

この時期あたりでたしかサンダースモデルがリニューアルしたとのニュースを聞き入れ、スタンダードのJKはソリが合わなかったけどこれはどうだろうと試してみよう、みたいな動機だったと思います。ちょうどヤマハに在庫があったのもここを選んだ理由でした。



それで吹いてみたSF 18Kが今までで1番吹いた瞬間の印象が良くて。今までビビッとくることはそんなに無く、この前まで使っていたロメラもパイパーズの受け売り通りで気に入った、程度だったのですが、前情報ほぼ無しでいったこのサンダースモデルは直感で「あ、これいい」となって。初めてに近い感覚でした。後にも先にもこう感じたマウスピースはこれ一本だけです。


具体的には
・リム・リムカンターの感触が良かった
・カップの深さとスロートがちょうどいい(スロートは4.3mm)
・Vカップと言われてるけど今まで吹いてきたVカップ程息もっていかれる感じがなく、それでいて息抜けが良い(後から分かった事ですがサンダースモデルはエクスクルーシブほど明確にVとUを分けてないそうです。リムの形状に違いがあります)

といったところでしょうか。



とにかく、今までで1番自分にハマったマウスピースで、歯を怪我した後の現在に至るまで現役です。(最近大きくした方がいいかと思ってこの18.5mmを買ったのですが、最初は吹きやすいと思ったのですがどうやら唇への当て方の問題だったようで、18mmにのコレに戻りました)


リム内径も17.5mmから0.25刻みで展開されて、タイプが各サイズ2種類あるので自分に合うものを選びやすいと思います。






・院2(修了間近) YAMAHA 34B

論文を何とか書き上げた月末の自転車事故で色々と停止してた頃、ふと先生にマウスピースの相談をした時(まだ怪我する前の頃)「ヤマハも試してみては」と言われたことを思い出して、せっかくだしと心機一転で買ってみました。


ヤマハのスタンダードマウスピース、意外と侮れませんね。反応もいいですし。
後めちゃくちゃ軽いです。それまでのマウスピースがヤマハと比べてウエイト重めなものばかりだったので、最初手にした時軽すぎてポーンっと飛んでいきそうでした笑

素直で明るめな音色です。ソロで吹くにはいいかなと思いましたが、合奏の中でだとなかなか馴染まないなーって感じだったのでJKに戻しました。でも個人的には好きなマウスピースなのでサブポジションに置いてます。

炎の多重録音はこのマウスピースで収録しました。








以上、僕の過去に使ってたマウスピースをバリバリ主観でフワッとした感想を交えながら紹介しました!
大学生のころかなり沼ってあれこれ試していたのが、今では(ほぼ)1つに収まっているのが自分でも不思議です…笑



マウスピース堂々巡りされてる皆様、どうか良きマウスピースに出会えますように…🙏🏻


また、マウスピースを選んで欲しい、一緒に聞いて欲しいという方もお問い合わせよりご連絡ください!




それでは!!




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Going my Horn way...

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