これだけは揃えていてほしい、ホルンのお手入れ用品たち



一昨日、とある学校の吹奏楽部さんのホール練習を見学・指導させていただいて、その中で一緒にフレーズを吹いてあげてたりしてたんですが、その時の抜差管の感触があまりよろしくなかったので、帰宅してからオイル注油のついでにグリスアップもしました。


で、その時クリーニングロッドにガーゼを巻きつけて抜差外管と抜差管内部を掃除したのですが、思った以上に放置していたのか予想外の汚れが出てきてビックリしてショックを受けてしまいました。
また、恐る恐る抜差外管をiPhoneのライトを照らして覗いてみると、案の定といいますか緑青が出てしまってました…


以下現物画像です




いやーーー、だいぶショックでしたね。
こう見えて、高校吹部時代はヤマハのカタログとかアホほど読み漁っていて、お手入れ用品のカタログももちろん読んでいたので金管楽器については簡単なお手入れなら全般、簡単な磨きなら木管・鍵盤打楽器を含めて基礎的な知識は習得していて、また自身の楽器の整備の頻度も高かったので整備オバケを自負していました(あくまで自分の中でだけ)。


しかしこんな失態を犯してしまっては、そんなことももう言えません、ハイ(99.9999%の人に関係なくてどうでもいい話)。


おかげでテンションただ下がり、けど見てしまったからにはできる限りしっかり取り除こうと思い、ペースガタ落ちながらも何とか作業を終えました…。いつもなら30分ちょいしかかからないのに1時間半くらい、夜な夜な始めたので終わったのは深夜3時過ぎでした。



と、まあ個人的にこんな悲しい出来事があった訳ですが、こと楽器の整備に関しては手遅れになる前にしっかりしておいた方がいいのは楽器をやってる人万人共通です。

僕がやってしまった緑青は、一応真鍮用の洗浄液が市販されているのですが、素人扱いだと難儀しますのでリペアに管内・ロータリー洗浄に出すとして、日頃のメンテナンスをする上でこれだけは最低持っていてほしい!!というものをご紹介しようと思います。これらを使って定期的にメンテナンスをしていれば(今回の僕みたいにサボっていなければ)基本大丈夫なはずです。








▪︎ロータリーオイル

▪︎ロータースピンドルオイル、レバーオイル


これはいわずもがなのロータリー周り用のオイル3点セット。とにもかくにもこれを持っていないと始まりません。


中には1本のオイルでまかなえるものもありますが、差す場所で求められる粘度が違うので、出来るだけ使い分けた方が良いです。最大手のYAMAHAでもお手入れセットには3種類のロータリー関連オイルが付属しています。


ただ、これらオイル類をどれくらいの頻度で差すかというのには個人の意見に分かれるところがあります。ここでは僕個人としての見解を述べます。僕はこれでロータリーは今のところスムーズに動いてるので、他の人と違うからといって総ツッコミ入れるのはやめてください。


・ロータリーオイル(ローターオイル)
正直これに関して僕は、ほぼ毎日楽器を吹いている状況なら頻繁に差す必要はないと考えています。
というのも、あまりこまめにロータリーオイルを差すと、抜差管のスライドグリスが溶けてしまうからです。
グリスが溶けて、ロータリー内部に侵入すればそれこそ動きが悪くなりかねないので、本当に動きが悪いなーと感じた時くらいに差すくらいがいいと思います。その時、オイルを差した後の翌日・翌々日くらいにはグリスが溶けて少しスカスカしてくるかと思いますので(個人の経験談に基づく)そこで塗り直した方がいいでしょう。

逆に1ヶ月の大半など、吹けずにケースにしまっていることの方が多い方は、ロータリー保護のために週に一度、少なくても二週に一度は差しておいた方がいいです。


・ロータースピンドルオイル(ベアリングオイル)

ロータリーのキャップを開けた中の軸と、ロータリー裏の軸の隙間にそれぞれ差します。(写真のレバー以外の黄色矢印のところ)
ここは僕は2,3日に一回くらいの頻度で差してます。割と差した直後と数日経って少し揮発した後で割と吹奏感が変わるので、毎日とは行かなくてもそこそここまめに差した方が吹奏感を維持できます。


また、レバーとロータリーとのジョイントがヒモではなくボールジョイントの場合、ボールジョイント部にもオイルを差しましょう(緑の矢印の部分)。ボールジョイントはよくカチャカチャいいやすいのですが、ここにオイルを差すことで改善されることが多いです。

YAMAHAでは灰色のキャップの「ロータースピンドルオイル」、その他のメーカーではおおよそ「ベアリング」が含まれる名前で売られています。オススメは写真にもあるヘッドマンの「ベアリング&リンケージ」です。


・レバーオイル
こちらのオイルは基本的にベアリングオイルと併用可能です。僕も粘度は変えていますがレバーにもヘットマンのベアリング&リンケージを使っています。各レバーのスプリングの両端に注油します。ここは1,2週間に一度くらいで差しています。ただ、オイルの粘度が軽い(サラサラしている)場合は揮発するのも早いかと思いますのでもう少しこまめに差すと良いでしょう。



▪︎スライドグリス

これも必需品です。が、残念なことにYAMAHAのお手入れセットにはスライドグリスが付属していません。これは自分で別途購入しましょう。

スライドグリスも様々なタイプがあり、

・指ですくって直接付けるタイプ
・リップクリームみたいなスティックタイプ
・ジェルタイプ

などがあります。

また、こちらもオイルみたいに粘度の違いがあり、抜差管の磨耗具合やお好みのスライド感に合わせて選びます。

最近増えてきたジェルタイプは、スティックタイプと同じで指を汚さずに付けられるので楽ちんですし、固すぎず柔すぎず且つ夏場でも溶けるなどの状態変化をしにくいものが多いのでおススメです。僕は画像のBachのチューニングスライドグリス、通称イチゴジャムを使っています。





▪︎オイルグリスクリーナー
グリスを塗り替える時に、前のグリスや抜差管についた汚れを落とすのに必要です。
中性洗剤で洗い流すこともできますが、毎回水洗いする訳にもいかないので、これがあると便利です。

抜差管のグリスを塗る部分に液を垂らし、数十秒待ってからティッシュや柔らかい布で拭き取ります。拭き残しがあると新しくグリスを塗っても溶かしてしまいますのでしっかり拭き取りましょう。




▪︎クリーニングロッド、ガーゼ

こちらもグリスを塗り替える際、抜差管の内部と抜差外管を掃除するのに必要です。

ロッドにガーゼを巻きつけて、左右に少し捻りながら中に入れて汚れをかきだします。

クリーニングロッドはいわゆるリコーダーの棒でも代用出来る品で、持ってる方はそれを使っていても問題ないのですが、ベルがベルカットじゃなくワンピースベルの場合、第1〜第3抜差外管(ホルンの前側に付いてる管)を掃除する時少し難しくなるのと、気づかないうちにロッドの後ろ側をベルに当ててしまい凹ませてしまう危険があります。

そこでおすすめしたいのが、写真に載っているYAMAHAのクリーニングロッド(バルブ用)です。比較的安価で購入できますし、長さも短いのでワンピースベルでもぶつける心配が減ります。クロムメッキされた金属製なので安易に折れたりすることもありません。


ガーゼは各楽器メーカーが出しているものでもいいんですが、似たようなものが100均にも売っていますのでそれを買った方が安上がりです。笑
ただ、普通のガーゼではなく、周囲が縫われているハンカチタイプのガーゼの方がいいでしょう。




▪︎クリーニングスワブ
このブログ用の写真取る時にスワブの写真を撮るのを忘れてしまったので画像は無いんですが、これも必須級です。YAMAHAのお手入れセットには付いているのでとりあえず持ってる、という方も多いのでは。

抜差し管内部とマウスパイプの中をこのスワブ通し、水分と汚れを取ります。特にマウスパイプは汚れが溜まりやすいので定期的なスワブ通しが必要です。



あと敢えてここには詳しく書きませんが、汚れを拭くクロスも一枚持っておいてください。






以上、これだけは最低持っていてほしいお手入れ用品でした。全部一度に買うとそこそこのお値段しますが、逆に一度買ってしまえば長く使えるものが多いのでケチらずに持っておいてほしいです。


また、ほとんどおんなじこと書いてますがツイートまとめサイトのTogetterにもおススメ整備用品リストとしてアップしていますので良ければそちらもご覧ください。↓






それでは!


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