さて今回はタイトルそのまんまの問題について、まとめようと思います!
ただ、音声と動画別撮りだったり、編集ソフトをかなり使い込んで動画を作成しているいわゆるガチ勢向けではなく(多分そもそも分かってそう)、あくまでスマホの多重録音アプリとかで録画して、スマホ・タブレットなどからアップロードをしている人向けの記事になると思います。
※説明上iPhoneなどのiOSデバイス、使用SNSを「Twitter」、使用多重録音アプリを「Acapella」を前提としてお話しさせていただきます。
僕がよく見かけるのは、Twitterで多重録音動画などが投稿されて、そのツイートかもしくはその直後に続くツイートに「Twitterにあげると音割れするんよなあ」とか「音質下がってない…?」といった嘆きの内容。
この前も、大学の同期でクラリネットの友人もそんな感じツイートをしているのを見たので、当時僕は「アプリ側の設定とマイクの位置の問題かな」と思ってリプライし、その後こんなツイートをしました。
acapellaで音割れに困ってるって方!
— 嶋﨑 海 𝖲𝗁𝗂𝗆𝖺𝗌𝖺𝗄𝗂 𝖪𝖺𝗂 × 𝖧𝗈𝗋𝗇 (@Kai_hornist7) April 19, 2020
録音の待機画面の左下にある青いアイコンをタッチ→「マイク入力ゲイン」を調整するとマシになりますよ!
後はマイク付イヤホンの場合、多分大きい音量の入力に向いてないので(最大耐音圧が通話向きでそんなに高くない)、音源との位置関係も見直してみましょう! pic.twitter.com/YWhhEn4R3C
もちろんこれらも改善が期待できる大きなポイントではあったんですが、その時の僕は原因がユーザー側の設定とだけ問題視しており、アップロード先の仕様上のこととかは全く眼中に無かったのです。
(自分であげてた時は外付けマイクで撮ってたり、投稿する前に色々設定をいじってたからかあまり音割れするとか感じたことがありませんでした)
しかしつい最近、配信の音質に関してインスタライブなどで目にする機会があったり、久々にiPhoneとICレコーダーを繋げて撮ってみようと思ったらできなかった事件(機種変前の6sではできてたのに新SEでは出来なかった)とかがあって、なりゆきでもう一度調べてみようかなって思ってググってみました。
こんなピンポイントで出るんかいな…と思ったら、出ました!!しかも1番目に!!
そのサイトがこちら。⬇︎
ちなみにこちらのはてなブログには、オーディオインターフェイスマイクについての記事もあります。なんか見たことある記事あるなぁと思ったら、以前そっちで調べてた時に当たってました笑
…で、こちらの記事を読んでいるうちに、ファイル名のお尻についてる「拡張子」についても調べたほうが良さそうなので追加で調べてみました。
①Twitter側の仕様で画質・音質が落ちているかもしれない
まずは上記で紹介したサイトにもあった、Twitter側の仕様について。
Twitterでは動画をアップロードする際、横向き動画の場合サイズによって以下の3つにカテゴライズされるようです。
ビットレートは、1秒間に何ビットのデータで作成されているかを表しています。単純にこの数値が大きければ高品質なデータになります。音声ビットレートとかは、MP3のオーディオファイルでよく見かけるのではないでしょうか。
縦横は、解像度を表してます。写真とかでもたまに目にしますね。4:3とか、16:9とかの画面のサイズ比率とはまた違うので注意です。
そして、この「大」にあたる各数値がキモとなるラインで、解像度がこの数値を下回ると中や小サイズとしてアップロードされてしまい、音質などが劣化してしまいます。
逆にこの大より大きい品質でアップロードしようとしても、強制的に大サイズに書き換えられてしまうためやはり劣化につながってしまいます。
Twitterでは音声より動画の容量・サイズ判定が優先されるらしく、画質を圧縮しないといけないと判断した場合は音質が高音質でなくても一緒に圧縮されてしまい、結果として音質も下がってしまいます。Twitter上で高画質・高音質でアップロードするためには上記表の中サイズより大きく、大サイズ以内に収めないといけないということになります。
②iPhoneやiPadなどのiOSデバイスでは、動画データは基本的には「.MOV」で保存される
お次はデバイス側の仕様、拡張子について。
これ、知らない人多いんじゃないかなーと思います。iPhoneとかだと写真アプリでぱっとそのデータの詳細を確認できる場所ってなかったと思いますし…(あったらすみません)
基本的な使用範囲では特に不都合になる場面はないので気にする人も少ないって感じですね。
僕はGoogle driveにアップロードする前の確認画面で知りました。
iPhoneやiPadをはじめとしたiOSデバイスや、Mac製品では動画データの標準的な拡張子は「.MOV」がサポートされています。
つまり、iPhoneとかで撮った動画や、iPhone内に保存される動画は基本的にこの拡張子で保存されるということです。Acapellaで撮った多重録音動画もこの拡張子で書き出して保存されます。
で、.MOVとはなんぞやということなんですが
Appleが開発した、QuickTimeというマルチメディア技術で使われる拡張子であり、後述する.MP4の生みの親となっています。
Apple謹製ということもあってApple製品間では使い勝手が良いですが(そうでないと困る…)、Windowsでは対応出来なくて色々が苦労があるそう。(WikipediaをのぞいてみたらWindows版では7/vistaまででサポートを終了していました)
ちなみに写真/画像は純正カメラアプリではJPEGが標準サポートとなっていますが、こちらはサードパーティ製のアプリの中には保存するときに変更ができる設定があるものがあります。(僕が使っているアプリでは.pngや.tiffなどの高画質で保存することができます)
動画の場合、純正カメラアプリではこういった拡張子の変更はできません。(フレームレートなどの映像のなめらかさを変えることはできます)
③.MP4について
そんな.MOV拡張子から生まれた.MP4、今ではこちらが世界標準のスタイルとなっています。こちらはMac、iOSはもちろんWindowsでも問題なく再生出来ます。圧縮率にも優れている拡張子です。
そしてこんな書き方をしているのでこの両者ではデータサイズの違いがあるんだろうと思いきや、この.MOVと.MP4、実は数値上は全く一緒なんです。
ちょっと見づらいですが、同じ動画を.MOVと.MP4それそれで保存し、そのデータ詳細を解析するフリーソフトを使ってパソコンで調べた写真です。
(ちなみに①で書いていた上限を音声・動画共に超えちゃってるのでTwitterでは余裕で圧縮対象です笑)
ファイルサイズから動画ビットレート、音声ビットレート、果てにはフレームレートまで一緒…なんです。
しかしこれもまた調べてみると、どうやら厳密に比べると.MOVの方はより高画質・高音質のデータを収めることができるらしく、その点で.MP4よりはわずかながらサイズが大きいそうな。や、ややこしい…。
④つまり
iPhoneなどからTwitterに動画をアップロードする際、何もしていなければ.MOVでアップロードされることになります。そして、
.MOVは.MP4と見かけ上データサイズは一緒ですが、実は微妙に差があってこれがTwitterの仕様には引っかかって.MP4よりも圧縮度が高くなってしまい、結果として画質・音質が悪くなってしまう。
これが、ユーザー側の設定や調整だけじゃない、SNSでの動画が音声も含め思ってたより粗い、という原因の一つです。
⑤じゃあどうすればいい?
先ほどでも触れたように、iPhoneでは純正カメラアプリで動画を撮影する際に拡張子を事前に設定して変えることはできません。
またAcapellaにもそういった機能はありません。(サブスクで音質を高音質にする機能は開放できますが)
なので、アプリを使って変換します。
iPhoneでおすすめのアプリは、「MovP4」です。
3分弱の動画なら、割とパパッと.MP4に変換してくれます。
これを使って過去に何度か紹介しているアリエスの角笛の動画を.MOVと.MP4の2つ用意し、それぞれをTwitterの別アカウントに個人検証用にアップロードしてみました。
結果、.MP4で上げた方が.MOVより違和感が少なかったです。平たく潰れている、といった感じがした.MOV動画に対して.MP4ではあまりそれを感じなかったです。スピーカー再生にした時に顕著で、粗さゆえの余分な共振?が.MOVにはあったように思います。
また、.MP4に変換するのは、アプリの他にWebブラウザのフリー変換サービスのサイトもあるのでそれを使ってみるのもアリですね。
PCなどでの動画編集ソフトや込み入った編集ができるアプリとかであれば、書き出しをする際の詳細な指定もできるはずです。その際のおすすめ設定なども①で紹介したはてなブログ(記事内ではPower directorで紹介されています)が参考になると思います。
せっかくの多重録音動画、聴いてもらうならいい音で聴いてもらいたいですよね。
たとえお遊び動画だったとしても、はたまたYouTubeへの誘導用だったとしても、つかみの印象が変わるはずです。
アップロードする前に、.MP4に変えてみるというひと手間を加えると今までの疑問が解決するかもしれません。ぜひやってみてください!
あとは冒頭にも書きましたが、収録に使うアプリ側の入力レベル(外部マイクを使う時はそのレベルも)やマイク位置もとても大事です。ここで音割れするようなセッティングで収録すれば、アップロードする時にはそこからさらにひどくなりますからね…
適切な距離感、レベル設定をして収録した上で、今回書いた件をアップロードする前に試してみましょう!
それでは!
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