はじめてのシカゴ:Day3


遂にやってきた、クーパーとのレッスン…!


ペースを上げて3日目、いきます!
(そもそも上げ出すのが遅い)



前回の記事はこちら









【12/20 Day3】


朝起きて、今日もスタバコーヒーで1日のスタート。
レッスン場所はCSOセンターなので、パートで集合してホテルからタクシーで移動。

1日目のシカゴブラス聴きに行く時に乗った車も、今回のタクシーも両方助手席に乗ったんですけど、前についてるカーナビがCar playで繋がっていて、まるで本体がApple製品みたいになっててさすがお膝元は違うなあーと感じました。



15分くらいしてCSOセンターへ。

フロントガラス越しに撮った写真。








中に入ると、まず通路に各奏者のブロマイドが飾ってありました。

これからレッスンを受けるクーパーと、




以前オオサカンで共演したグリフィンの写真も!





エントランスに着くと、コントラバスを横倒しにしたカフェスタンド?受付?みたいのが見えてまたビックリ!





そして、クーパーの登場。登場から既にテンション高めでした。笑

レッスン部屋に案内してもらい、各人40分弱でレッスン開始。







自分はモーツァルトのホルン協奏曲第4番1楽章のこちらのフレーズを元にレッスンしてもらいました。



たった4小節の短いフレーズですが、非常に密度の濃い内容でした。


・ゆっくりしたテンポから練習し、徐々に早くして完璧に仕上げていく。難しいフレーズは、オクターブ下げたり移調したりして簡単にしてしっかり鳴らす練習を。

・ホルンは音の間隔が狭いので、その音をソルフェージュ出来ていないとミスの原因につながるので、技術的に問題がある時は楽器を下ろして歌う。

・アレクサンダー・テクニークの話を用いて
足という土台から、自分というビルを建てていくように。膝→お尻→背骨→首と順に乗せていく感じで。胸は少し上がる。
楽器を構える時は、自分が向かっていくのではなく楽器を自分の方に持っていく。

・タンギングは空気を邪魔するだけで流れは遮らない。ru-ruと発音するようにタンギング。



このような「プロセス」を教えてもらいながら取り組んでいきました。途中で音が変わっていく様子が自分でもはっきりと分かりました。

レッスンの様子。









最後にフレーズを吹き切った時、最初に吹いたのとは全然違っていて、クーパーも僕が吹いた後すごく喜んでハイタッチと、ハグまでしてくれました。正直ここまで自分を肯定してくれるなんて考えてなかったので、ちょっと泣きそうでした。

このレッスンで得た学びは、上述の「プロセス」の部分も大きいのですが、最大の気づきは「レッスンをする時に接する雰囲気」だと思ってます。

今でこそ時代の流れで緩くなってきている気はしますが、それでもまだ必要以上の厳しさが目立ち、自己肯定感が育まれない環境が日本では少なくないように感じます。
というより、短所の指摘ばかりで、なかなか褒める・評価するということがなく、もはや「飴と鞭」のバランスにすらなっていないような事例とかも見かけたりするのです。
そしてそんな中長所を指摘しても、「それは本当にそう思って言ってるのか?」という疑心が生まれてしまい、素直に受け取ることができず、指導者側もまた褒めることが難しくなり、余計に粗を探す方に目がいってしまうという悪循環に陥ります。
それも徐々に改善されてきているとは感じているのですが…。


今回のレッスン、クーパーは自身の性格が明るかったこともありますが、基本的に彼の言葉は前に向かわせてくれるようなものばかりでした。そして、少しでも彼の言ったことが達成できるとすごく評価してくれました。


これって、すごく大事なことだと思うんです。
「飴と鞭」っていう表現は、嫌な主従関係のニュアンスなのであんまり使いたくないんですが、ひたすら鞭鞭鞭鞭というよりかは、そりゃあもちろんいいわけじゃないですか。だから最低限の最低限、そのベースには持っていくべきだとは思うんです。
でも、この状態だと指導者と生徒にいい関係は生まれない。だから、少しでも改善が見られた点は評価する、つまづいている点は一方的に指摘するのではなく一緒になって解決への道を模索する。そうやってお互いがポジティブに前に進めるような雰囲気が必要だなと、あのレッスンの時に感じた自分の気持ちを元に考えてみました。

もちろん、ただポジティブな言葉でうやむやにするのではなく、指摘すべきところは正確に指摘できるよう、耳と語彙と知識は常にアップデートしていかないといけないです。

これが、僕が今後レッスン・指導をする際の基盤となる考え方、及び課題になりました。



とまぁ、長々と感想を書いたわけですが、要はめちゃくちゃ素晴らしいレッスンだった!!というわけです。笑

また、自分の番以外は聴講していましたが、その時に話していた彼が行っているF管でのウォーミングアップのメニューと、F管でコプラッシュを練習するというのはとても有効だと感じました。
今一線で活動しているホルニストも、みんなF管をしっかり使って練習してたのかなあと考えると納得できます。ウィーン・フィルが使うウィンナホルンもFシングルだし、ホルンのF管というのは、他の楽器が使うF管とはまた少し意味が異なる、より根源的な地位にあるのかなとぼんやり考えてたりします。

帰国してからも、聴講したF管のウォームアップは毎回取り入れています。やはりF管をしっかり鳴らしてあげるとB♭管で吹いても響きが違います。




そんなわけで、2時間ほどのレッスンはあっという間に終了です…!

ツーショットと、パート全員とでそれぞれ写真を。
通訳してくださった楠さんも含め、本当にありがとうございました!!






レッスン後はCSOセンター内のグッズ売り場で少し買い物して、お昼は事前にグリフィンが教えてくれたおすすめの料理店に。




どちらかというとアジアンテイストなお店で、こちらを注文しました。

圧倒的緑。笑

その9割はピーマンでした。
好き嫌いがめちゃくちゃ多い僕ですが、ピーマンは好きなので大喜び。
(メニュー名忘れた…)







午後の合奏まで時間があったので、僕はタクシーで帰らず歩いてマコーミックプレイスに戻ることにしました。お昼間のシカゴの風景も見てみたいなあと思ったので。



そして歩いていたら、建ってるだけで絵になるビルの多いこと多いこと…ずるいです ( ˘ω˘ )



大体1時間くらいでマコーミックに帰ってこれました。






そして午後からはリハーサル。
本番前日なので、19時までの長丁場。


この日はアレッシとマーティンも参加してくださり、それぞれのソロとの合わせも。


本当にいつ聴いてもすごいとしか言えない音…!
こちらも必死に食らいつきます。


大物ゲストがいるということもあってか、見学に来てる人もちらほら。それはそれで緊張……!

また、イロァ・イロァの作曲者であるケヴィン氏も来場くださり、その曲に対する思いを涙ながらに語ってくれました。初演も日本の武蔵野音大なんですが、日本のバンドがこの曲を演奏する意義をしっかり認識した時間でした。








ホテルに帰ってから、ご飯どうしようか…と悩んでいたら(お金が無かったので外食に行けず、そもそも体調不良者がいたのでこの日は外出を控えるよう言われてました)、僕の懐事情を知った人達がたくさん分けてくださいました…😭
その中には、諦めていたシカゴピザも!!!

本当に救われました…。


食べ合わせが?????となるでしょうが、そこは気になさらず!!!笑
とにかく、自分にとってはパーティー状態でした。





そして、明日の本番に向けて楽器にオイルを差し、クロスで丁寧に拭き上げました。

ホテルのベッドライトに照らされたホルンがあまりに美しかったのでパシャリ。













そして、本番の日がやってくるのです…!















Day4へ続く。





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Going my Horn way...

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